名古屋市のワーク・ライフ・バランス推進企業の評価の表は、24 項目あります。最後の 24 番は「本市の『子育て支援企業』または『女性の活躍推進企業』の認定を受けている」で、2 点です。2 つの認証は所管の局も審査のしかたも別なのに、片方の認定がもう片方の点に数えられます。申請の順番を考える意味は、ここにあります。

数字と条件は、名古屋市と愛知県の令和 8 年度のページと PDF から写しました。開いたのは 2026 年 11 月 6 日です。様式は年度で変わることがあるので、申請の前に最新の版を開いてください。

名古屋市の 2 つの認証と愛知県の登録は、別々に申し込む

子育て支援企業(名古屋市)ワーク・ライフ・バランス推進企業(名古屋市)ファミリー・フレンドリー企業(愛知県)
所管子ども青少年局経済局愛知県(ファミフレネットあいち)
対象市内に事業所がある企業等。公益法人・NPO 法人・個人商店なども含む市内に事業所がある企業等。公益法人・NPO 法人・個人商店なども含む県内に本社や主たる事業所を置く企業。法人のほか団体等も含む
決まり方書類審査で 35 点が目安。そのあとヒアリング、必要なら現地調査24 項目 50 点満点のうち 30 点以上で認証要件 3 つ(行動計画の策定と届出・育児・介護休業法に沿った就業規則・公表への同意)
期間新規は 3 年。令和 2 年度以降に更新した場合は 5 年3 年。そのあとは 5 年ごとに更新登録の日から、一般事業主行動計画の期間の終わりまで
受けられること認定証とプレート、マーク、市のサイトでの公表、就職展での紹介、市の入札・契約での優遇、信用保証料率の優遇(対象となる場合)市のサイトでの PR、マーク、入札・契約での優遇、信用保証料率の優遇(対象となる場合)県のサイトでの紹介、マーク、知事の表彰、県の入札での加点、県の融資制度、無料のコンサルタント
令和 8 年度の受付7 月 1 日〜 9 月 11 日新規は 7 月 1 日〜 9 月 11 日(終了)概要のページに受付期間の記載なし
名古屋市の 2 つの認証と愛知県のファミリー・フレンドリー企業を、対象・審査・期間で並べた図
名古屋市の 2 つは点数で、愛知県は要件で決まる

社員の人数の条件は、市の 2 つのページにはありません。対象は「市内に事業所がある企業等」で、個人商店なども入っています。子育て支援企業の認定基準には、従業員 300 人以下の会社に点を足す欄(中小企業加算)があります。従業員 100 人以下の会社だけが対象の項目もあります。

子育て支援企業は、名古屋市内の地域の活動が 1 つ無いと届かない

認定基準の配点は、従業員支援が 52 点、地域貢献が 39 点、その他が 9 点です。従業員支援は家庭と仕事の両立の支援、その他はくるみん認定や行動計画のような、ほかの制度での取り組みを見ます。留意事項には「従業員支援、地域貢献の各項目で 1 つ以上取り組みがあることが必要です」とあります。従業員支援だけで 35 点を超えても、地域貢献が 0 なら認定には届きません。

地域貢献には条件が付いています。名古屋市内での取り組みか、名古屋市民を対象にした取り組みに限られ、社員や社員の家族を主な対象にするものは除かれます。16 の項目の例は、こども 110 番の家への協力や、地域の保育所や学校の子どもを対象にした職場見学・職業体験です。通学路や公園の清掃活動を定期的にしていることや、インターンシップの受け入れも入っています。

社員 20 人の会社が点を取りやすい項目は、その他の欄にあります。従業員 100 人以下の会社だけが対象の項目です。次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を作り、労働局に届けていれば、1 項目で 5 点になります。申請には、その計画の「策定・変更届」と計画の写しを添えます。行動計画の届出は、従業員 101 人以上なら義務で、100 人以下なら努力義務です(愛知県の登録制度の概要)。計画が無ければ、ここは 0 点のままです。

書類審査を通ると、ヒアリングがあります。聞かれるのは「子育て支援に対する考え方や組織体制等」です。取り組みについては「実施するに至った経緯や効果、工夫している点や配慮している点等」も聞くと、認定基準の表にあります。始めたわけを、口で説明できるようにしておいてください。

ワーク・ライフ・バランスは、原則 1 年以上続けた取り組みを数える

評価の表は 4 つの分野に分かれています。配点は経済的自立の分野が 10 点、生活の時間の分野が 15 点です。多様な働き方の分野は 21 点で、その他は 4 点です。

2 点の項目には、半日単位か時間単位で年次有給休暇が取れること、月 1 回以上のノー残業デーなどがあります。代表者が経営方針などでワーク・ライフ・バランスを進めるメッセージを出していることも 2 点です。1 点の項目もあり、2 点の項目だけで 30 点に届かせるなら 15 個が要ります。

点数より先に読んでほしいのは、表の下の注意書きにある 2 つの決まりです。取り組みと関係機関への届出に求められるのは、「原則として申請日の 1 年以上前から取り組んでいることがわかる資料」です。就業規則に定める制度は、「申請年の 4 月 1 日時点より前に施行されている」ことが分かる資料を出します。

今日(2026 年 11 月 6 日)からの予定に置き直します。令和 9 年度も同じ様式で、受付も令和 8 年度と同じ 7 月から 9 月だとします。ノー残業デーのような取り組みは、原則として 2026 年の 7〜9 月ごろより前から続けている跡が必要です。就業規則に書く制度は、2027 年 4 月 1 日より前に施行しておくことが条件です。

ただ、就業規則の制度にも 1 年の決まりが重ねてかかるかは、注意書きの文からは読み切れません。今から就業規則に足す制度を次の受付で出すつもりなら、経済局の労働企画課に確かめてください。

1 つの社内の決まりが、2 つの評価の表で使える

社内の決まり・取り組み子育て支援企業ワーク・ライフ・バランス推進企業
一般事業主行動計画を作り、労働局に届ける5 点(従業員 100 人以下の会社だけ。策定・変更届と計画の写しを添える)項目なし
ノー残業デーなどで、所定外の労働を減らす2 点2 点(月 1 回以上のノー残業デーなど)
時間単位・半日単位の年次有給休暇2 点(年休の利用を促す取り組みとして)2 点
フレックスタイムや時差出勤3 歳から就学前の子を育てる社員が使える制度の 1 つ(3 つ以上そろうと 2〜4 点。従業員 300 人以下は中小企業加算 2 点も)2 点
くるみん認定2 点2 点(えるぼし認定でもよい)
名古屋市の子育て支援企業の認定―2 点

ノー残業デーと時間単位の年休は、就業規則か社内の通知に一度書けば、2 つの申請で同じ資料が使えます。どちらの制度も、資料に項目の番号を書き、当たる所にマーカーを引くよう求めています。決まりを文書にした日に、余白へ両方の項目の番号を書いておくと、申請の年に探し直さずに済みます。

愛知県の登録は、点数ではなく要件 3 つで決まる仕組みです。1 つ目の要件が、行動計画を作って都道府県労働局に届け出ること。行動計画を作って届ければ、県の登録の入口と、子育て支援企業の 5 点の両方に使えます。初めて作るときの相談先は、県の支援メニューのページにあります。従業員 300 人以下の県内企業は、社会保険労務士などのコンサルタントを無料で使えます。頼める仕事は、就業規則の整備や、行動計画の策定・届出の指導など。

社員 20 人なら、行動計画から始めて子育て支援企業を先に

花がかり運営としては、社員 20 人の会社にはこの順をお勧めします。最初の一歩は、行動計画を作って労働局に届けること。名古屋市内の地域の活動が 1 つでもあれば、子育て支援企業を先に申請します。ワーク・ライフ・バランスは、その認定を受けたあとです。行動計画が子育て支援企業の 5 点になり、子育て支援企業の認定がワーク・ライフ・バランスの 2 点になるからです。

受付は 2 つとも 7〜9 月なので、この順だとワーク・ライフ・バランスは早くて翌年度になります。地域貢献に当たる活動が 1 つも無ければ、この順は使えません。地域の条件が無いワーク・ライフ・バランスから出します。

この順には手間が 1 つあります。子育て支援企業にはヒアリングがあり、書類だけで終わりません。もう 1 つ、確かめていないことがあります。24 番の項目の文は「認定を受けている」です。同じ年に 2 つを同時に出すと、この 2 点は数えられないと読めます。ただ、市には聞いていません。同時に出すつもりなら、経済局の労働企画課に確かめてください。

評価の表に、社員の家族の誕生日の項目は無い

2 つの評価の表を読んでも、社員の家族の誕生日を会社が祝う取り組みに当たる項目はありません。子育て支援企業の地域貢献は、社員と社員の家族を主な対象にする取り組みを、はっきり除いています。認証の点のために始めるものではありません。

2 つの制度が見ているのは、社員の生活に向けた決まりを会社が文書にし、何年も続けた跡です。家族の誕生日を祝うことも、続けると決めたなら、ほかの決まりと同じ年の予定に置けます。花がかりは、総務が名簿と記念日を一度入れれば、担当が日付を覚えていなくても毎年続きます。

社長に返す前に、評価の表と認定基準の 2 枚を開く

1 枚目は、ワーク・ライフ・バランスの「評価項目(第 1-1 号様式別紙)」。2 枚目は、子育て支援企業の「令和 8 年度認定基準」です。どちらも PDF で開き、今の就業規則と社内の取り組みで印を付けられる項目を数えてください。地域貢献の 16 項目に 1 つも印が付かなければ、先に出すのはワーク・ライフ・バランスです。